元禄15年3月8日。
林新太郎子大助はこの日出入の町人で浄瑠璃語りの平七がやって来て着替えていると、平七は但馬守(松平友著)様より切腹を命じられているのになぜまだ生きているのだと言って立ち上がり、平七を切り殺した。
その後部屋に入り、熟睡した。
乱心とのことで牢に入る。
昨年も僕を手討ちにしていたが、たいした理由もなかった。
新太郎は今まで放置していた。
隼人正家来小番役大久保喜蔵が母と妻を連れ土筆取りに出かけた。
帰りに柳原のあたりで請状を取りに出かけた大崎清太夫の若党と八尾市之丞の僕と出くわした。
2人は酒に酔っていた。
喜蔵の妻に抱き付いたので、母親が突き飛ばした。
若党は怒って止めなかったので喜蔵がすぐに切り殺し、母親が止めをさした。
喜蔵の僕と市之丞の僕が切り合うが、お互いに手傷を負い、共に逃げ去った。
母は実に頼もしかったと。
喜蔵は立ち退く。
清太夫は喜蔵が隼人正に呼び戻されることを願うと。
別の話では、喜蔵は番から戻り、母・妻・僕を連れずに行ったことを心配して迎えに出かけこの如くとも。