名古屋の町は大騒ぎ

名古屋でおこった江戸時代の事件を紹介

しかしお金がかかりますよね

文政1年5月5日。
熱田神祭で今年は馬の塔を美しく飾り、馬の数も多かった。
見た大体の数を記す。
本馬2疋。
牛立村からの2匹、印は馬印。
長刀200振、子供は棒を持ち、100余人。
衣服いろいろの品、紅天鵞絨、黒天鵞絨、紅縮緬などで、背には牛を切付紋で縁を金糸で付ける。
本馬2疋、長刀100振。
旗屋から出る。
衣服の下には紅板しめ縮緬、上には浅黄地路面に紫式部投扇の図をいろいろと縫い、その他にも金摺箔の縮緬、あるいは上さらしの紋付裾模様の帷子など、近年の美しい衣服が衆目を驚かす。
本馬4疋。人数3000人。長刀2000振りと。
衣服の装いはずいぶんと美しいが、先の2ヶ所が抜群に美しかったので、見苦しく見えてしまう。
日置の馬の塔は170年ほど前に日置よりの馬を蹴ると、熱田で飾った鶉籠のだし(標具)を奪い取って帰ってしまった。
今から41年前、日置から出した時、同じように鶉籠のだしを付けて宮へ出かけたが、先年の遺恨から熱田から喧嘩を仕掛けると逃げ帰ったと。
今年もこの鶉籠を用いるはずでなので、いろいろと相談し、役所から今年は遺恨を残さぬよう奉納と称して馬には乗せず、鶉籠を前に吊るすよう日置村の御師神職)に伝え、奉納して帰る。
俄馬(本馬は奉納用、俄馬は若者が走らせる)の数は水野正信が見たものを記す。
黒天鵞絨反転揃20人程。
俄馬三井寺鐘供養の趣向30人程。
大薬師鬼祭の趣向1群。
猩々の趣向1群。
鐘馗鬼駆の趣向1群。
浴衣参の趣向1群。
伊勢まいり1群。
奴の趣向1群。
金毘羅同者1群。
西国33所回拝の趣向1群。
八丈縞片身ずつ續分の浴衣1群。
裸参りの趣向1群、これははなはだ奇才。
このほか板締ちりめん襦袢など着用の分たくさんあり。

www.museum.city.nagoya.jp