名古屋の町は大騒ぎ

名古屋でおこった江戸時代の事件を紹介

真っ暗な中で声だけするのは怖い

文政1年4月27日。
熱田大宮御修復につき外遷宮(神体を本殿から仮殿へ移すこと)が行われる。
参詣すると殊の外大賑わいで、社内の篝火は白昼のようであり、提灯は星のようであった。
神幸(神のお出まし)の時は灯火がなく闇夜になったと。
ただ、社家師人など御供のホウ引ホウ引という声がするばかりであった。
恐ろしく、神代の昔が思われる。
神官田島丹波守が神扉を開く。
吉兆があると。