名古屋の町は大騒ぎ

名古屋でおこった江戸時代の事件を紹介

それほど気にすることもないと思うのだけれど、プライドの問題だから難しい

元禄9年7月6日。
晴天。
申刻(午後4時)過ぎると遠くで雷が轟き、大雨となる。
夕暮れ前には止む。
近頃、死んだ惣町代の後役を花井七左衛門に仰せ付けられるとの噂があった。
七左衛門は何を思ったかとても気に病み自害した。
しかし死ぬことはなく、養生して全快した。
ある説では、橘屋の□□という油売りは岡部次郎右衛門に金子100両を賄賂として渡しており、次郎右衛門の世倅は盲目であるので検校に取り立てるべきだと。
そうすれば行く末も安心だと媚びを売り、自分は惣町代になろうとした。
次郎右衛門は金に目がくらみ、相役と相談して七左衛門ではなく油屋を惣町代にしようとした。
七左衛門はこれを聞き、もし本当であるなら自分の面目は丸つぶれだと自害した。
しかし、町人らは次郎右衛門の耳に入ることを恐れ、真実をはなさず乱心だとした。