名古屋の町は大騒ぎ

名古屋でおこった江戸時代の事件を紹介

いつの世も酔っぱらいは迷惑

元禄5年7月5日。
夜、恒河左五兵衛の表に面した壁のところでよくわからないが転んでぶつかる大きな音がした。
少しすると人の激しい唸り声がしてきた。
恒河子の僕が怪しんで門を開け出て見てみると、隠居らしき坊主が脇差を差して倒れていた。
近づくと顔から血を流し、染衣は破れていた。
よく見ると酔っぱらいであった。
それで大路まで送らせると手を振り笑いながら行ってしまった。
飯田町に住む小間物などを売る坊主で、最初は石川伊賀守に仕え浅賀三平と名乗っていた。
儒者であると。
この夜の泥酔は相原久兵衛のところで飲んだ酒が原因であった。