名古屋の町は大騒ぎ

名古屋でおこった江戸時代の事件を紹介

権斎はいい人ってことなの

元禄3年6月30日。
御上国御礼の使いとして渡辺半蔵が江戸へ下り、使いを終えて江戸より帰り着いたこの日の朝、茶道坊主権斎を掃除坊主金斎が切り殺し、塀を乗り越え野崎源五右へと立ち去る。
その昔、権斎は半蔵に目をかけられており、娘も奉公に出していた。
半蔵の死後には渡辺右近之右衛門が妻としていたと。
右近之右衛門は渡辺仁兵衛の跡取りで道随の小姓を勤め、酒をよく飲み、とても気に入られ、子のように扱われていた。